いい人間関係をつくるコツ ~会社でのコーチング~

「もしもし。今、ちょっといい?
Aグループの目標が達成できそうにないんだ。
そっちで、もうひとつ、頼めないかな?」
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他のグループの穴埋めを依頼する
電話が上司から、かかってきた。
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『またですか?
そんなの無理ですよ』
と言いながらも、無下にはできない。
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「いや。他に頼めるところがないんだよ」
そう言われると、断れない。
こうして、しぶしぶ、引き受けてしまう。
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この頃のあたしは、営業マネージャー。
いくつかある営業部のうちのひとつに属していた。
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営業という仕事は、
いつまで経っても、終わりが無い。
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目標を達成すると…次の月の目標が上乗せになる。
さらに、部全体の目標達成のために、
他のチームの穴埋めの依頼がやってくる。
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自分で言うのも、なんだけど…
真面目な人は、仕事が増える一方で、
壊れるような仕組みが
「営業」という仕事なのかもしれない。
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しかも、マネージャーという立場は、
自分で営業ができればいい。という立場ではない。
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動いてもらわなければならない。
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だから…
あたしが、穴埋めを引き受けるということは、
今度は、あたしが、メンバーに
穴埋めをお願いしなきゃいけない。ということだ。
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「え~!? またですかぁ~?」
メンバーも、露骨に嫌そうな反応をした。
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そりゃあ、そうだ。
いつ爆発するか? わからない爆弾を
次々、手渡しているようなものだ。
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今月も、また、爆弾がやってきた!!
といった感じだろう。
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『ホント、ごめん!!
お願い!! もちろん、あたしも手伝うから!』
ひたすら、手を合わせて、拝むように頼み込んだ。
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ㅤAチームのマネージャーとは、
毎日、事務所で顔を合わせる。
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あたしよりも、一回り以上若くて、
どこか、つかみどころがない感じだ。
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どうすれば、Aチームのマネージャーが
やる気になってくれるだろう?
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無意識のうちに、あたしは、
昔のコマーシャルにあった「元から絶たなきゃダメ!」
という言葉を思い出していた。
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今…振り返ると…
この頃のあたしは、休みの日には、
セミナーに行き、いろんなことを学び、
自分には、何でもできる!
相手のやる気を引き出すこともできる!
と思い込んでいた。
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学んでいる自分が偉い「つもり」になっていた。
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どうすれば、Aチームのマネージャーを
変えることができるだろう?
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と思っていたのだ。
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いや、私が、変えてあげる! とさえ、思っていた。
プロコーチあるあるで、
「やってあげる」とコーチが思った瞬間に
そのセッションがうまくいかなくなる。
というのがある。
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「やってあげる」というのは、
上から目線で、
相手をコントロールしようとすることに近しい。
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だから…相手は、無意識的に抵抗し、
うまくいかなくなる。
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当時のあたしは、そんなことも、知らずに、
ほんの少し、学びをかじっただけで、
天狗になっていた。
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同僚にも「あれをやってみよう!」
「これをやってみよう!」と
まるで、先生気取り。
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それでも、Aチームのマネージャーは、
変わる気配が無かった。
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どうしていいか? わからなくなったあたしは、
上司に相談した。
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「どうすれば、
Aチームのマネージャーのやる気が起きますかね?」
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『それは、お前の仕事じゃない!!』
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予想外の答えが返ってきた。
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一緒に考えてくれると思っていたのに…
あたしの苦労を全否定された。と感じた。
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いや、存在を否定されたと受け取っていた。
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「私なんか、いない方がいいんですね」
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『いや、そういう意味じゃない!』
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そう言われても、そう思えなかった。
そう受け取りたくなかった。
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今なら、わかる。
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上司は、上司の仕事と、
あたしの仕事を区別しようとしただけだし…
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あたしの存在を否定しようとした訳じゃない。
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でも…
当時のあたしは、無意識だったけど…
「すごい人」になりたくて、
周りの人から、認められたくて
がんばってたし…
自分は、それができると思っていた。
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だから…
そんな自分が、全否定された気がして、
悲劇の主人公になることを
無意識的に選んでいた。
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この頃のあたしのように
自分を大きく見せようとする人も、
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Aチームのマネージャーのように
変わろうとしない人も、
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どちらも、がんばっている。
どちらも、勇気がくじかれている。
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だから…
まずは、受け入れてもらうことが
必要かもしれない。
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「もう、動きたくない!」と座り込む犬を
ひっぱったところで、ビクともしないのだ。
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あの時のあたしも、
上司に否定されたと感じることで、
この動かない犬になっていた。
でも…
多くの場合…
望んでいない人を引っ張ろうとする。
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引っ張られる方にとっては、
迷惑でしかない。
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引っ張る方は「散歩は楽しい」と言い、
引っ張られる方は「疲れた」とか、
「怖い」と言っているだけなんだ。
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「疲れた」に寄り添って、
「疲れ」を癒すと…自然と動きたくなる。
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でも…
コーチングや自己啓発を学び始めの頃は、
魔法の杖を手に入れたかのような
錯覚に陥り、相手を変えてあげたくなる。
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それは、
学ぶ人自身が、動きたいと思って、
学びに行くから。
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でも…学びに行く人の会社にいる人は、
動きたいと思っていないかもしれない。
疲れているのかもしれない。
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動きたくなった時、
相手が望んだ時に、初めて、
コーチングは、そのチカラを発揮する。
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望んでもいない人の
やる気を出そう!なんて言うのは、
コーチ側のエゴでしかない。
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コーチの自己満足のために、
望んでもいない人を使ってはいけない。
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当時、社内では、
年に1回、決起大会というものが、あった。
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営業社員は、チームごとに
「エイエイオー!」とやるのだ。
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あたしは、どうしても、
その「エイエイオー!」をやることが
納得できなくて…
上司に聴いてみたことがある。
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「『エイエイオー!』ってやらされるのは、
やる気が失せるんですけど…
何のために、やるんですか?』
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まぁ、小生意気な部下だ。(笑)
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『えっ? 考えたことも無かった。
やるもんだと思ってた』
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上司は、答えを出せなかった。
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この上司にとっては、
「エイエイオー!」が
やる気につながっていたのかもしれない。
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でも…その時のあたしは、動きたくない犬だ。
コントロールされまいと、抵抗するから、
「エイエイオー!」で士気が下がる。
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コーチングは、
この「エイエイオー!」のようなものだ。
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やりたい人にとっては、
やる気を引き出すものになるが…
やりたくない人にとっては、
やる気が失せる時もある。
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でも…会社にコーチングを取り入れようとすると
この「エイエイオー!」のように
全員に、定期的に、やろうとしがち。
やってあげようとしがち。
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何でも話せる時間を持つのは、
いいと思うが…
その時間に、
コーチングをしてあげようと思ってはいけない。
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相手の希望があって、
初めて、コーチングは成立する。
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まずは、何でも話せる雰囲気をつくる。
相手の状態や、興味関心を知るところから、
始めるといいかもしれない。
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これは、会社だけではなく、
子育てでも、友人関係でも同じ。
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人間関係をより良くするコツは、
相手の興味関心を知ろうとすることから、
始めること。
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