自分を変える コーチとしての在り方

投稿日:2019年11月11日

投稿日・更新日 2019年11月11日

”どうしよう。動けない…。”

 

その日のあたしは、駅のホームで動けなくなった。

ベンチに座って…どうしていいか?わからなくなった。

 

時間は、迫ってくる。

コーチングスクールが始まる時間だ。

 

“どうしよう。

行きたいけど…行ったら、迷惑をかけてしまう。

苦しい。“

 

薬は飲まなくなったものの、

治ったと思っていたパニック障害の症状が

出始めていた。

 

ただ…この頃のあたしは、

“疲れたよ”って言う 「カラダの声」 だと

思っていたから、

再発したとは思わなかった。

 

でも…苦しかった。

ヒステリー球。

のどに何かが詰まったような感じ。

 

カラダの疲れもあった。

ほぼ寝たきりのような生活を過ごしていた私が、

2週間に1度、東京に行く。

 

その間も、コーチングの練習は続く。

体力の限界。

 

そんな状態でも、スクールには行きたかった。

早く、コーチングができるようになりたかった。

でも…スクールに行くと、体力不足で倒れる。

迷惑をかけてしまう。

 

でも…せっかく東京まで来たんだから…

スクールに行きたい。

 

自分の中で、行きたい自分と

迷惑をかけたくない自分が、戦い始め、

コーチングスクールがある駅で動けなくなった…。

 

“どうしよう…。”

 

“助けて!”

 

祈るような気持ちで、

メールを書いた。

 

 

「駅まで来たけど…

動けないんです」

 

メールの相手は、コーチングの師匠。

きっと…ミーティング中。

もちろん、返事が来るか? も、わからない。

 

“助けて欲しい”

祈るような気持ちで返事を待った。

 

『待ってるから、ゆっくりおいで』

 

その返事に、背中を押され…

“行ってもいいんだ。”

という気持ちになり…

ようやく、私はゆっくりと立ち上がった。

 

改札を抜ける時…

“本当に行くのか?”

と言わんばかりに、

ヒステリー球があばれる。

苦しい。

 

でも…行く!

「待ってる」 って、言ってくれたから。

 

自分の迷いを振り切るように

一歩一歩、ゆっくり、ゆっくりと

スクールに近づいていく。

 

だいたい、コーチングスクールというのは、

テンションが高い人が集まっている。

 

今の私は、

そのテンションに合わせることができない。

 

“途中で、誰にも、会いたくない。

誰も、出てきませんように。“

 

そんなことを思いながら…

ゆっくりと、足を進めた。

 

“師匠にどんな顔をすればいいんだろう?”

“師匠になんて言えばいいんだろう?”

 

おそるおそる部屋へ入った…。

 

師匠が、満面の笑みで、

両手を広げて、来てくれた。

「さとちゃん!待ってたよ!」

 

そう。

師匠は、いっつも、こんな感じ。

 

多分…時間があっても、

迎えには来てくれない。

 

場所もわかってる。

心理的な問題だから、動ける。

「つらい。苦しい。」 と言いたいだけ。

 

だから…心配はしない。

心の底から、“大丈夫!!”と信じてくれている。

 

はじめてのおつかいに

子どもを送り出したお母さんのように、

ただ…信じて待ってくれた。

 

あたしは、言葉ではなく、知識でもなく、

師匠のこんなところから、

コーチとしての在り方を学んだ。

 

人は、言ってることよりも、

その人がやっていることから学ぶ。

 

それが在り方であり…

何を学ぶか? よりも、誰から学ぶか?

と言われるゆえんだと思う。

 

相手の可能性を信じる。

 

言葉だと、これだけ。

でも…それがなかなか、できなかったりする。

 

コーチでも、

カウンセラーでも、

お母さんでも、

心配してしまう。

 

それが悪いこととは思わないし…

それが必要な時もあると思うけど…

 

相手の言動によって、

心配されているか?

信頼されているか?

される方は、敏感に感じ取ってしまう。

 

信頼・応援は、

相手は、できるはず!と思って関わること。

 

心配は、

相手には、できないんじゃないか? と思って関わること。

 

心配されると…

できないと思われていることを

無意識的に感じ取ってしまう。

 

だから…余計に 「かわいそうな自分」 になろうとする。

これも、無意識的に…。

 

 

信頼する

応援する

心配しない

という関わりは、相手を自立させる。

 

だって…この人には、

依存せずに生きるチカラがあるから。

 

この場合の「依存」というのは、

伝えることができるのに「助けて」と言わずに

カラダで表現するようなこと。

 

多くの人は、子どもの頃に、

病気になれば、やさしく看病してもらった経験がある。

「大丈夫?」 と心配してもらった経験がある。

 

だから…

無意識的に、病気になれば、

かまってもらえる。と思ってしまう。

 

私もそう。

 

「助けて!」 「かまって!」 と言えばいいのに、

ヒステリー球が暴れだし…

「苦しい」 と言う。

 

ほとんどの場合は、

かまって欲しいだけ。

 

だから…

「助けて!」 「かまって!」 と言わないうちは、

こちらから、手を差し伸べない。

 

冷たく感じるかもしれないけど…

それが、本当のやさしさだと思う。

 

相手の可能性、相手のチカラを

信じて関わるやさしさ。

 

 

精神的に、自立している人は、

自分のチカラを知っている。

できない自分も受け入れている。

 

今の自分には、これができないから、

「助けて!」 と言える。

協力をあおぐ。

 

「協力」とは、助けてもらうことではなく、

それぞれのチカラを出し合って、

『助け合うこと』

 

その場かもしれないし…

社会全体として、

それぞれのチカラが出し合えるのかもしれない。

 

自分には無理。と、

可能性が無いわけでもなく、

現時点では、難しいというだけ。

 

その自分のチカラに気付いている。

 

これが自己肯定感が高いという状態。

ありのままの自分を受け入れている状態。

 

自己肯定感が低いと、自分を大きく見せようとする。

大きく見せようとするから、

「できない」 も、「助けて」 も、言えない。

 

「かわいそうな私」 を演じることで、

相手から、「助けてあげる」 を引き出そうとする。

 

「助けてあげる」 方も、自己肯定感が低いから、

「助けてあげる」 ことで、

「すごい自分」 を作り出そうとする。

 

性格でもなく、

そういう 『状態』 なだけ。

 

『状態』 は、刻々と変化する。

 

それに、人と人は、影響し合って生きている。

 

だから…

誰といるか?が

自分を変えることにもつながる。

 

どうしても、環境になじもうとするところがあるし…

ラクをしようとするところがあるらしい。

 

この時の私の場合…

依存したくても、依存させてもらえなかった。

 

師匠は、一貫して、そんな関わりをしてくれた。

 

だから…自立することができた。

 

でも…周りにそんな人がいなければ、

変われないということでもないと思う。

 

そんな風に、環境を変えるのもいい。

変わると決めるのもいい。

 

この人みたいになりたい。

と思えるようなメンターを探すのもいいと思う。

 

理想の自分は、どんな自分なのか?

何ができてたら…理想の自分になれたと思えるのか?

ゴールとなる基準を決める。

 

基準がなければ、「もっと! もっと!」 と

いつまで経っても、変わったと思えない

底なし沼のような状態になってしまうかもしれない。

 

だから…とりえあず、明確なゴールを決める

 

そして…

そこに向かうには、どんな手段があるのか?

そこで、「ラク」 ではなく、「理想に近づく」 を選ぶ。

 

小さく、一歩ずつ、ゴールに向かう。

それが、自分を変える 第一歩。

 

ちいさくていい。

失敗してもいい。

いつもと違うことをやってみる。

 

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