コーチングの全体像と基本スキルを学ぶ完全講座【基礎編1】

コーチングの全体像と基本スキルを学ぶ完全講座

このページでは、基礎編をお届けします。

入門編から読みたい方はこちら

 

カリキュラム

【入門編】セルフコーチングを身につけよう!

コーチングとは?

コミュニケーションパターンを知る

笑顔・あいづち・うなずき

2つの目的論

伝えるチカラ

質問するチカラ

セルフコーチング

まずは、やってみよう!

 

【基礎編】セッションができるようになろう!

コーチングセッションの全体像

コーチの約束

笑顔・あいづち・うなずき2

関心に関心を抱く

質問をするコツ

臨場感

タスク管理

わからないことを明確にする

時間の流れを感じる(タイムライン)

人間関係を扱う(ポジションチェンジ)

多数の人間関係を扱う

セッションをする際の注意点

練習しよう!

 

【上級編】セッションのスキルを高めよう!

セッションで失敗しがちな10のポイント

さいごに

 

【基礎編】

セッションができるようになろう!

 

ここでは、他人にコーチングが

できるようになるための知識をお伝えします。

 

コーチングは、コミュニケーションスキルなので、

知識を得ても、練習しなければ、身につきません。

 

学びながら…

練習を重ね、スキルを身につけましょう。

 

 

コーチングセッションの全体像

 

初心者が一番、悩んだり…迷ったりするのが、

コーチングの流れであり、

全体像ではないでしょうか?

 

全体像がわかると、

次の質問に悩むことが少なくなります。

 

流派や考え方によっても色々あるので、

これだけが正解!という訳では無いですが…

 

わからなくて困っている。

自信が持てない。

という方の参考にはなると思います。

 

 

多くの場合、クライアントさんは、

過去から未来だけを見て、悩みがち。

 

なので、今の課題が理想の状態になったその先の

ビジョンまで見て、視野を広げて考えることを促します。

 

逆にクライアントさんと同じ視野だと

振り出しに戻るということも、少なくありません。

 

例えば…

「病気を治したいんです」というケースの場合。

 

現状を聴いて、

『どうなりたいですか?』と聴いていくと…

「病気が治ったらいいですね」と答えられます。

 

そして…

『そのために何ができますか?』と聴いてしまうと…

「そのために、セッションを受けに来たんです」

と言われてしまうかもしれません。

 

そうではなく、

『病気が治ったら、その先、どんなことをしたいですか?』

と質問してみます。

 

例えば… 

「家族で海外旅行に行きたいです」と答えたとすると…

『そのために、まず、何がどうなるといいですか?」

と聴いていきます。

 

そうすると…

『お金を貯める』かもしれないし…

『体力をつけるために、ウォーキングする』

かもしれませんね?

 

…というわけで、

全体像が分からないという方の

参考になれば、嬉しいです。

 

 

コーチの約束

 

読むだけでコーチングができる

「すまいるすごろく」には、コーチの約束が書いてあります。

 

・必ず、守秘義務は守ります。

・何を言っても否定しません

・無限の可能性を信じます

・特定の答えに導いたりしません

・対等な関係で関わります

 

 

・必ず、守秘義務は守ります。

コーチングセッションで聴いた内容はもちろん、

セッションした相手の名前も、

守秘義務に含まれます。

 

病院に行ったとして…

患者側が「○○病院に行ったの」というのは自由ですが…

病院の先生が「△△さんが診察に来られたんですよ」と

言いふらされるのは、嫌ですよね?

 

それと同じで、コーチには守秘義務がありますが、

クライアントさんが話すのは自由です。

 

「お客様の声」として、

ブログなどに投稿する場合は、

必ず、クライアントさんの許可を得るとともに、

『公開許可済み』と明記するようにしましょう。

 

 

・何を言っても否定しません

人それぞれ、価値観が違います。

知識・経験も違います。

違うからこそ、選択・決断も違うのです。

 

自分だけが正しいと思うのではなく、

「どうしてそう思うのかな?」

「何を大事にしているのかな?」

相手の関心に興味を示しながら、

聴いていくことが大切です。

 

 

・無限の可能性を信じます

多くの人は、無意識的に、

「ここまでならできるはず」という可能性の枠の中で

やりたいことを考えがち。

 

 

枠を外したところに、

本当にやりたいことがあるかもしれません。

 

そんな風に無限の可能性を信じるのが、コーチ。

クライアントさんよりも、

クライアントさんの可能性を信じるのがコーチの役目。

 

 

・特定の答えに導いたりしません

95%の人は、夢が無い。

あるいは、間違った夢に向かっていると言われています。

 

だから…「○○したい」と言っていたとしても、

セッションの途中では、〇〇よりも、

もっと大事なことに気付くこともあります。

「○○しない」になってもいいんです!

 

それに…誰もが、コントロールされるのを嫌います。

自分が思う正解が、他の人にとっての正解とは限りません。

だから…

その人にとっての正解を探すお手伝いをするのがコーチです。

 

 

・対等な関係で関わります

コーチは、クライアントさんと対等な関係で関わります。

 

つらそうな人がいると、

助けたいと思うことがあるかもしれません。

 

でも…相手が望んでいなければ、

ただのおせっかいです。

 

例えば…

川で一生懸命、泳いでいる人がいるとしましょう。

 

でも…あなたから見ると、

溺れているように見えるかもしれません。

 

それでも、その人は、一生懸命、泳いでいるんです!

 

そんな人に、浮き輪を投げたら…どうでしょう?

助けに行ったら…どうでしょう?

 

そんなこと望んでいないかもしれませんね?

 

本当に必要だったら、その人自身が、

「助けて!」って言えるはずなんです!!

 

「助けて!」って言えること

泳ぎ切ることができること

それらを含めて、

相手のチカラを信じているのがコーチです。

 

 

笑顔・あいづち・うなずき2

 

入門編でも、笑顔・あいづち・うなずきを

お伝えしましたが…

基礎編では、次の2つについて、お伝えします。

 

・あいづちは多いくらいがちょうどいい

・相手の状態によって、コーチの状態を変化させること

 

 

・あいづちは多いくらいがちょうどいい

大縄跳びに入る時のように、

相手のテンポに合わせて、

「うん うん」とあいづちを多めにすることで

自分では、うるさいかな?と思うくらいでも、

相手は、よく聴いてもらっている感じがします。

 

あいづちをたくさん入れていくことで、

相手の話の途中でも、

相手の話を切って、割り込むことができます。

 

あいづちが少ないと、

相手は、話を切られた感じがしてしまいます。

 

なので、セッション時間を短縮するためにも、

しっかりとあいづちを入れる習慣を

身につけておくことがオススメです。

 

 

・相手の状態によって、コーチの状態を変化させること

自分の状態も、相手の状態も、刻々と変化します。

 

コーチとしては、基本的には、

相手よりも、少しいい状態で関わることを

意識するといいです。

 

人は刺激し合っています。

コーチが相手よりも、状態が悪いと

相手の状態も、つられて悪くなってしまいます。

 

逆に、コーチの状態が相手よりも、はるかにいい状態だと、

相手は、ビックリしてしまったり…

引いてしまったりします。

 

だから…相手がつられて、いい状態になるように

相手よりも、少しいい状態で関わるのがベストです。

 

 

関心に関心を抱く

 

相手に関心を抱くのも、悪くはないですが…

相手の関心に関心を抱くことの方が重要です。

 

相手に関心を抱くというのは、その人自身のことです。

「そのネックレス素敵ですね~」とか、

「どこに住んでいるんですか?」とか。

 

相手の関心に関心を抱くというのは、

その人自身が、今、思っていることや感じていることに

関心を持つということです。

「どうしてそう思うの?」とか、

「それの何がいいの?」とか。

 

 

例えば…

「ハワイに行った時、夕日がきれいで…」

と言っている時は、

クライアントさんは、『夕日』に関心があるんです。

 

 

「誰と行った」とか、

「その時の海は何色だったか?」とかは、

相手の関心ではないんです。

 

話を進めていくうちに、

相手の関心が変わることがありますが…

コーチの関心で話を進めてしまうと、

クライアントさんは、嫌な感じを受けることがあります。

 

 

質問をするコツ

 

質問をする時のコツは、コーチが答えを探さないということ。

クライアントさんが、「どうしてそう思うのかな?」

「どうしたいのかな?」とクライアントさんに

興味を持ち、ひたすら、理解しようとし続けることが大切です!

 

主な質問をひとつずつ、解説していきます。

・「具体的には?」

・「他には?」

・「AではなくBなのは、なぜ?」

・「本当はどうしたい(どうなったらいい)?」

・「それは何のため?」

・「そのためにできることは?」

・「10 点満点で何点ですか?」

・「何が大事?」

・「どうして?」

・「どんな気持ち?」

 

 

・「具体的には?」「って言うのは?」

明確にする時に使う質問

 

【例】   「旦那が病気で、困ってるんです」

『旦那さんっていうのは?』…「私の旦那ですけど…?」

『病気っていうのは?』…症状や病名

『困っているっていうのは?』…困っていることの中身

 

このように、どこを具体的にするか?によっても

セッションの流れや、コーチとの関係性が変わってきます。

 

クライアントさんにとって、

明確になっていなさそうなところを

質問していくことが大切です。

 

 

・「他には?」

話を広げたい時に使います。

話を広げた後は、必要に応じて、集約していきます。

 

【例】   『楽しかったことや嬉しかったことは何ですか?』

「子どもがうまれた時、嬉しかったです。」

 

『他には?』

「他には、高校の修学旅行の時です。」

 

『他にもありますか?』

「そうですね。結婚式の時ですね。」

 

『その中で特に嬉しかったのは、どの場面ですか?』

「やっぱり、子どもがうまれた時ですね。」

(話を集約する)

 

 

・「AではなくBなのは、なぜ?」

疑問に感じたら、価値観を知るために、聴いてみる

 

【例】

「家族で自然の中に、ピクニックに行きたいんです」

  

『いいですね!

なぜ、ディズニーランドではなく、

ピクニックなのですか?』

 

「そっか。人が多いのが嫌なのと、

やっぱ、自然に癒されたいんですね。」

 

『なるほど。自然がいいんですね。』(価値観)

 

 

・「本当はどうしたい(どうなったらいい)?」

理想を描く質問

コーチングでは、これを探すのが目的のひとつです。

 

なるべく早い段階から、

「本当はどうしたいですか?」と質問していきます。

目的を意識していただくためにも、何度も質問していきます。

 

答えられなくても、

『そうですよね。一緒に探して行きましょうね。』

と言えば大丈夫です。

 

【例】「病気でつらいんです」

『つらいって言うのは?』

「(つらい現状が語られます)」

 

『それが本当は、どうなったらいいですか?』

「本当は、元気になりたいですね。」

 

『元気になって、何でもできるとしたら…

どうしたいですか?』

「家族旅行に行けるといいですね」

 

 

・「それは何のため?」

目的を確認するための質問

目的の目的は忘れていることが多いです。

 

【例】   「片付けしたいんです」

『それは何のため?』

 

「部屋がキレイだとスッキリしていいと思うんです。」(目的)

『部屋がスッキリしたら、どうなりそうですか?』

 

「仕事に集中できると思うんです。」

『仕事に集中するのは、何のためですか?』

 

「仕事に集中して、起業準備ができるといいですね。」(目的の目的)

『なるほど。起業の準備がしたいんですね?

起業の準備ができると、どうなりそうですか?』

 

「独立に向けて、前進しそうです。」

 

※この場合、片付けよりも、

起業の準備の方が大切かもしれません。

 

 

・「そのためにできることは?」

やったら良さそうなことを自由に考えてみます。

 

【例】  

『起業するためにやったら良さそうなことは何ですか?』

「勉強するとか…」

 

『他には?』

「ブログを書くとか…」

 

『他には?』

「人脈を増やすとか…」

 

『他には?』

「日々の行動を明確にする」

 

『じゃあ、2~3 日以内にやったら良さそうなことは?』

「まずは、ブログに想いを綴ります」  

 

 

・「10 点満点で何点ですか?」

点数で表すことで、

数値化できないものを数字で比較できるようにします。

 

【例】   『理想の状態ってどんな状態ですか?』(比較対象)

 

『理想の状態を 10 点満点だとすると、今、何点ですか?』

「今は…7 点ですね。」

 

『何があるから、7 点なんですか?』(現状把握)

 

『どうなると、10 点に近づきそうですか?』

 

 

・「何が大事?」

「何を感じたから、そんな気持ちになったのですか?」

価値観を引き出す質問

 

【例】

「先日のお茶会が楽しかったんです」

 

『特に楽しかったのは、どんな瞬間ですか?』

「○○さんの話を聴いている時です」

 

『その瞬間、何を感じたから、楽しかったのですか?』

「そうですね。つながりとか…

知らないことを知るとか…

笑顔とかですね。」(価値観)

 

 

・「どうして?」

理由や目的を探す質問

 

【例】「家族で海外旅行に行きたいです」

 

『どうして、そう思うんですか?』

「そうですね。知らないことを知ることができるし…

いろんな体験を家族で共有したいですね。」

 

 

・「どんな気持ち?」

感情を知る質問

感情の奥に価値観があります。

 

思考は、頭で考えていること

感情は、心が感じることです。

 

【例】

「この前、上司に褒められたんです」

 

『その時、どんな気持ちでしたか?』

「やっぱり、嬉しかったですよ」

 

『何を感じたから、嬉しかったの?』

「そうですね。認められたとか、

役に立てたとかですかね」(価値観)

 

 

臨場感

 

臨場感とは…

実際にその場にいるような感じを持つことです。

臨場感を出すことによって、

忘れている記憶にアクセスして、必要な素材を思い出します。

 

写真を撮るように、場面を特定して、

その時の起こったことをクライアントと一緒に感じてみます。

 

 

出来事・行動・思考・感情を平均的に聴くことで、

その場面を体験することができます。

 

過去や未来をイメージの中で体験することによって

忘れていたこと・無意識だったことに

気付くことができます。

 

 

“どんな感じかな?”と先にイメージしながら、聴いていきます。

声のトーンは、ゆっくりめ・やわらかく・

想像しながら話します。

 

コーチの目線は、臨場している時は、

クライアントさんを見るのではなく、

クライアントさんが、想像している方を見ます。

 

臨場感から抜ける時は、

クライアントさんを見ながら、

はっきりとした口調で、声のトーンも、使い分けていきます。

 

【チェックリスト】

□セッションの流れはつかめましたか?

□コーチの約束は守っていますか?

□相手より、少しいい状態を習慣にできましたか?

□「相手に関心」と「相手の関心に関心」の

 区別ができましたか?

□質問のポイントをつかめましたか?